労使トラブルの解決事例

社員が過労死したら、会社は責任を負うのか?

事件の概要

不動産業A社の営業部員Bさんは、勤務時間中に「う」と小さくうめいて意識を失ない、病院で亡くなった。四十代という若さ。死因は脳出血という診断である。A社は猛烈な営業で知られる会社だ。最近成績が振るわなかったBさんは、上司から強い圧力を受けていた。幹部に呼びつけられては紙のように白い顔で戻ってくることも多かった。毎日遅くまで残業、休日もあまりとれなかったという。

遺族の強い要望で、A社がしぶしぶ所轄の労働基準監督署長に労災保険給付を申請したところ、Bさんの死は業務上災害と認定され、遺族補償給付などが労災保険より支給されることとなった。遺族は、さらにA社に損害賠償を請求した。ところがA社はこれに応じないのである。

会社の言い分

「会社としては無理な業務を命じておらず、責任はない。Bさんにはもともと持病があったのではないか」

労働者の言い分

「会社が無理な業務をさせ、その肉体的、精神的な過労から死亡してしまったのだ。会社は誠意をもって責任をとるべきだ」

NC労務より解決提案

過労死と認定される二つの条件

会社は社員の健康に対して、一定の責任を負っています。

とくに過酷な業務を余儀なくされている場合や、健康診断で異常が発見されたときなどは、通常以上の注意を払う必要があるのです。

A社にはこれを怠った責任があると認められ、損害賠償を支払う義務があると考えられます。

いわゆる過労死は、過重労働などが原因で脳疾患や心筋梗塞などを起こし、死亡するものです。

これから労働者の高齢化が進むにつれ、脳・心臓疾患の予防は、会社にとってもますます重要になるでしょう。そこで、大きな社会問題となっている過労死について、平成七年に新たな認定基準「脳血管疾患および虚血性心疾患などの認定基準について」が設けられました。

それによると、つぎの要件を満たす脳血管疾患および虚血性心疾患などは、労働基準法施行規則別表一の二第九号に該当する疾病と認められ、業務上災害となります。

(1)つぎに掲げるイまたはロの業務による明らかな過重負荷を発症前に受けたことが認められること

イ……発生状態を時間的および場所的に明確にし得る異常なできごと(業務に関することにかぎる)に遭遇したこと

ロ……日常業務に比較して、とくに過重な業務に就労したこと

(2)過重な業務負荷を受けてから症状の出現までの時間的経過が、医学上妥当なものであること

対策を講じない会社は責任を問われる

社員の死亡が過労死とされ、業務上災害であると認められると、つぎには、会社がこれを防ぐ措置をとっていたかが問題となります。

つまり、ふだんから法定の健康診断を受けさせることはもちろん、何らかの異常が発見された場合は再検査を行なわせたり、業務の軽減などを行なっていたかが問われるわけです。

何の措置も講じていなかったのであれば、遺族から損害賠償などを請求された場合、拒むことはできないでしょう。

健康上の異常が発見されなかった場合でも、社員が過重な業務に従事している場合には、やはり通常以上の注意を払う必要があり、Bさんのケースでは、A社にこれを怠った責任があるといえます。

なお、過労による精神障害も最近は大幅に増加しています。事業主としては、健康診断の徹底やOA器機の導入による業務の省力化など、できるかぎりの対策を講じておく必要があるといえるでしょう。

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