労使トラブルの解決事例

人件費の削減のため、実際の残業時間に関係なく「何時間残業しても残業代は一律支給」は認められる?

事件の概要

「残業代は実際の残業時間に関係なく一律一ヶ月10時間分の支給にする」というのが、社長が人件費圧縮のために打ち出した案だった。機械メーカーA社は、ほぼ全社員が一ヶ月に20~30時間も残業するのが常態。会社としては残業代がかさんでしかたない。そこで社長の提案となったのだ。「本来の勤務時間中にまじめに働けば、残業する必要はないはずだ」という理由である。
これに猛反対したのがBさんだ。Bさんの仕事はどうしても勤務時間内に終えることができない種類のもの。毎月30時間の残業が避けられない。残業代の支払方法が変わると、サービス残業が大幅にふえることになるのである。

会社の言い分

「残業をする、しないにかかわらず残業代を払うんだ。社員にも充分にメリットのある方法じゃないか」

労働者の言い分

「残業しなければとても終わらないほどの仕事を与えておきながら、それに見合うお金を支払わない制度であり、まったく不当だ」

NC労務より解決提案

会社の残業規制そのものは自然

このケースでは、A社の社長の真のねらいは人件費の抑制にあります。一方、Bさんは、業務が所定の労働時間内に終わらないことが明らかです。

ですから、従来どおり、時間数に応じた残業代の支払いが必要になります。

本来、社員は決められた勤務時間(所定労働時間)だけ労務の提供をすればよく、会社も、所定労働時間分の賃金を支払えばたりるものです。

しかし、就業規則などで時間外労働があり得るとされ、実際に従業員が残業を行なうのであれば、その時間に見合った賃金が支給されなければならないのは当然のことです。

ただ、社員のなかには、残業代目当てに、通常の勤務時間内に終えられる業務をわざと時間外にまで引き延ばす人がいるのも事実です。

また、業務が過重になると、心身に変調をきたす人もでてくるおそれもあります。そのため、会社側が残業に一定の規制をすること自体は自然な行為といえます。

しかし、片方で、どうしても所定の勤務時間ではこなすことができないほどの業務を社員に与えておきながら、もう片方で残業時間を規制することはナンセンスです。仮に残業の規制を行なうのであれば、会社はまず、適正な業務量を与えるように調整をしなければなりません。

これは、社員の心身の健康のためにも大切なことです。

こうした措置をとらず、業務量が多いままで実質的に賃金をカットするということは、到底認められません。

このケースでも、Bさんの仕事が所定の労働時間で片づけられないほど多いことは明らかですので、残業代を一律支給することはできないのです。

A社の社長のねらいである人件費の抑制は、当事務所(NC労務)に給与体系の見直しや、固定残業代制度を中心とした効率的な残業制度の提案などのコンサルティングを受け、抜本的な改革を図るなど、別の方法で実現するべきでしょう。

なお、会社側としては、社員の残業が法定時間(原則1日8時間、一週40時間)内ですめば通常の賃金を支払うことで足りますが、それを超える時間については割増賃金が必要となりますので、残業代を支払うときは注意が必要です。

社員の勤務時間数、労働時間数は正確に計算するよう注意してください。

いずれにしても、社員が働いた時間数に見合った賃金は支払わなければならないのです。

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